映画 汝、星のごとく

横浜流星さんと広瀬すずさん演じる、親に事情があることによって生きづらい2人が、自分の人生を生きるため、そして自分の大切な人のためにもがく物語。

 

色んな視点があると思いますが、3つの点が印象に残りました。

 

1.やさしさではなく、それは弱さ。

愛人の元に行ってしまった旦那を取り戻すため、1日だけでも返してほしいと言ったときのセリフ。

自分の人生を生きるとは自分のためにも相手のためにも生きること、そして正しくなくてもその選択を貫き通すこと。そのためにはきっぱり別れるのも必要なこと。別れるのにも強さが必要。

2人が衝突したのも、横浜流星さん演じる櫂の弱さだったのかもしれません。

 

2.正しさとは何か、それはわからない。

このセリフを言う前に、正論は最後の砦だということばも残しています。

正しさは自分の中にあるもの。相手のためを想いすぎても自分のためにならない。

つまり自分のために相手のためになることをする。先生と広瀬すず演じる暁海が結婚したのも互助関係になることを前提としたものでした。

終盤のシーンで本が届いた時、自分がご飯を作るからそれを読んでくるように言ったのも先生でした。お互いが自立していて、支え合える関係だからこそ言えることです。結婚とはそういうものをなんだろうと感じました。

他人に幸せにしてもらおうとしている櫂の母親、別れる決意をできない弱さのある暁海の母親。

その序盤からの終盤の対称性がそれを際立てていました。

 

3.コミュニケーション

人間はコミュニケーションの生き物だと改めて感じさせられました。

序盤に櫂と暁海が出会うシーンから海岸で話するシーン。お互いを理解しようとすることで信頼ができ、櫂の家で関係を深めることになります。

そこから時が経ち、櫂が東京で成功し、暁海はそれを応援する立場に。暁海は自分も自分の道を切り拓こうとし、櫂に打ち明けるも応援せずについてこいと言うだけ。櫂はお金がすべてだと思っていたのだと思います。もし応援できていたら、プロポーズは成功していたかもしれません。

 

そのほかにも横浜流星さん、中村アンさん、京都弁指導の丸山隆平さんという、「着飾る恋には理由があって」のメンバーが同じ作品で活躍していたり、先生が避妊を助けるシーン、親が子どもを離さないシーンなど色んなことを考えさせられる映画でした。

 

人生は色んなドラマがあって、年を重ねて観ると新たな深みを感じられる作品でもあると感じました。若い世代から年配の世代まで色んな方に観て欲しい映画でした。

 

映画 ルックバック

秋田の田舎に住む2人があることをきっかけに出会い、漫画家を目指すお話。

 

2人がそのきっかけで出会わない世界線が終盤で描かれていましたが、そこで出会ってなければ漫画家にはなれていなかったのかもしれません。

 

2人は先生と弟子のような関係性でしたが、お互いが尊敬し、高め合う存在でもあったのだと思います。そして、かけがえのない存在であり、2人で漫画を描くことが好きだった。

 

あの時出会わなければ、

あの時あんなことをしなければ、

あの時この選択をしなければ、

こんなことにはならなかった。

などと後悔をすることがあります。

 

それでもこの映画を観ると、

あの時出会ったから、

あの時あんなことをしたから

あの時この選択をしたから

今の自分がいるんだ。

そう前を向かせてくれます。

 

映画の映像で描かれる秋田の自然の豊かさを感じ、自分がそこにいる感覚になるような作品です。

色んな世代の方に観てほしい作品です。

 

映画 白鳥とコウモリ

東野圭吾さんのミステリー小説を映画化。松村北斗さん演じる容疑者の息子と今田美桜さん演じる被害者の娘が協力し事件の真相に迫ります。

 

色々な人の想いが重なって起きた事件であり、「本当のことを知ること」で悲しむ人が増えるという事実があるのだと感じました。

 

知らない方が幸せでいられることもある。現代は情報のスピードが速い上に量が多く、より良いものを求めれば多くのものは手に入れられる時代です。今あるもので幸せでも、よりキラキラした世界があると知ってしまうと今が不幸に感じてしまう。

 

ただ、「本当のこと」や「現在地点」を知ることによって前を向くこともできる。

 

今の幸せを感じつつ、現在地を受け止めて、より良い人生になるように今を精一杯生きる。

 

「本当のことを知る」ことも大切ですが、同じように「本当のことを話す」勇気も大切に感じました。

 

そうしていればこの映画の事件は起きていなかったかもしれません。誰かを大切にする想いがつながることでこの事件が起きてしまった。

 

この映画は人を想う気持ちが交差する人間社会を映している。最後のシーンもそういうことを現したのだと思います。

 

 

白鳥とコウモリというのは、人間の二面性や、普段交わることのないようなものが交わることを表している。それは自分が善にも悪にもなるということであり、それが人間というもの。全ての登場人物の演技にそれが現れていました。

 

自分らしく後悔のないように生きようとしたら、人は善にも悪にもなりうる。

 

でも自分が感じた気持ちで自分が嫌いになっても、それを受け入れられるような気持ちにもなりました。

 

 

色んなことを考えさせられました。

自分にも他人に対しても固定観念を持たず生きていこうと感じさせられました。

 

色んな考察を見てみたいと感じる映画でした。

 

 

 

 

 

“カフェ”に集う芸術家―印象派からゴッホ、ロートレック、ピカソまで 三菱一号館美術館

1900年くらいのフランスの芸術家を取り扱った絵画の展覧会。その年代に生きた人々の息吹が聞こえてくるような感覚になりました。

 

絵画は写真のように描くのではなく、主観を取り入れた感覚を反映させた作品はより見ていたいと感じました。表舞台の明るさと、裏にある表情や世相に着目した作品は訴えかけるものと同時にユーモア性もあります。

 

絵画は自分の生きた証、生まれる100年前の未知の世界も、そこに生きた人がいるのだと感じさせてくれる体験です。

映画 あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。

映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」の続編であり、完結編。

 

前作では特攻隊の彰が空に飛び立つまでのお話し。

今作では彰との別れと向き合い、前に進んでいくお話し。

 

①ニーチェの哲学

「この世界には、君以外の誰も歩むことのできない、ただ一つの道がある。それがどこへ通じるのか問うてはならない。ただ、ひたすら進め」

彰が残した本に書いてあったことば。

それを未来に生きる子供たちにそれを教えたかった彰。百合はその意思を生徒に伝えます。

何かに迷う現代人にヒントを与えてくれることばです。

 

②恩送り

誰かにもらった恩。それをその人に返すのではなく、今と未来を生きる誰かのために伝える。

特攻隊の想いを次世代に伝えていくために、現代をより良くするため生きていくのも我々の使命というように感じます。

 

③過去との向き合いと未来への前進

過去は変えられないし、過去に後悔することや苦しむことがある。それでも自分の人生は続いていく。

誰しも何らかの過去への後悔をもって生きている。でもその想いを忘れなくていい。その人やその人への想いをもって生きていけばいい。誰もが抱える悩みは忘れられるほど簡単なものではない。

 

 

映画の1番伝えたいことは、戦争の悲惨さと、現代を生きることの尊さだと思いますが、①〜③の何か背中を押してくれるようなことばが多くありました。

 

好きという気持ちは、その人と一緒にいたいと思う気持ち。そのシンプルな気持ちでいいのだということも考えさせてくれる映画でした。

 

 

映画 Michael / マイケル

マイケルジャクソンの活躍の裏側も含めた物語。

自分が生まれる前の音楽ですが、耳にしたことのあるリズムやダンスが多く、改めてスーパースターであると感じさせてくれる映画でした。

 

映画はライブ映像とストーリーのメリハリがあり、華やかさの一方でマイケルや周りの人の葛藤がより感じられるものでした。マイケルの幸せを願う母親と兄弟、マネージャーに対して、マイケルのビジネスの成功を願う父親の対立が物語の軸となっていました。

 

実験のチンパンジーを救うために自分でお世話をしたり、黒人の誇りとして自分が活躍しようと奮闘するシーンは何か新しいことにチャレンジしたり、切り開こうとしている人に勇気を与えると感じました。

 

マイケルの活躍は後世に引き継がれていくことを願います。

 

 

映画 モブ子の恋

桜田ひよりさんと木戸大聖さん演じるスーパーのアルバイトで働く大学生の2人を描いた物語。

 

モブ子とは自己主張しない群衆という意味。

 

主人公の田中信子は、自己肯定感の低く、控えめな性格。自己主張が苦手で考えすぎてしまうこともあるけど、思いやりがあり心配りできる性格でもあります。

信子がモブ子と間違われることから物語が始まります。

そんな彼女がアルバイトを通じて人と関わろうとすることで物語が進んでいきます。

 

そんな姿は自分の大学時代に重なりました。

人と関わることで人間は自分らしく生きていけるのだと思います。自分も人と関わることで自分に少しずつ自信をつけられたし、自分を出せるようになっていきました。

 

劇中にある水の中を進んだり、溺れそうになる情景はとてもイメージにフィットしていました。あの苦しみというか、殻を破る怖さをリアルに表現しているように感じました。

 

「良いイメージを自分の心に持って、自分を信じて勇気を持って進む。」

 

この言葉に尽きると思います。

自分のなりたいイメージは自分しかわからないし、それを持って勇気を出して進むしかない。

自分らしく生きることで幸せに生きることにつながるし、自分と合う人と出会える。

 

みんなが思いやりをもって、みんながみんなを肯定する世界がとても素敵に感じる物語でした。

みんなキラキラしているようにみえて、自分はモブと思いがちだけど、みんな一人一人が主人公なのだと思わせてくれます。

 

そんな世界になってほしいと願うメッセージもあるのだと思います。優しい世界の思いやりに溢れた素敵な映画でした。